魅惑のチンキ剤

 現在、3種類のチンキ剤(ハーブティンクチャー)を仕込中です。チンキ剤とは、ハーブを30度以上のアルコールに入れ、1~3か月程漬け込んだ後に、ハーブを濾してできる薬効の高いエキスのことです。現在仕込中の3種類は以下の通りです↓

 

①「マウスウォッシュ・うがい用チンキ剤

アニス、キャラウェイ、フェンネル、ペパーミント

口臭予防効果が高く、消毒・鎮痛効果のあるハーブを漬け込みました。アニスやフェンネルは、昔から歯磨き粉の原料としても使われてきました。水で薄めてマウスウォッシュとして使えば、口臭や歯茎の炎症、口内炎などを抑えてくれます。うがい薬として使えば、喉の痛みや炎症を抑えます。小さなスプレー容器に入れれば、外出先でも持ち歩くことができます。

 

②「頭脳明晰チンキ剤

レモンバーム、ペパーミント、ローズマリー、ゴツコラ

優れた脳強壮効果があり、精神を明晰にして集中力と記憶力を高めてくれるハーブたちです。ゴツコラは、老化防止やアルツハイマー病を予防するハーブとして有名です。ADHDなどの学習障害を持つ子供、自閉症やアスペルガー症候群にも優れた効果をもたらすともいわれています。また、不安感や緊張を抑える効果もあるので、試験勉強などにもピッタリです。

 

③「ホルモンバランスチンキ剤

ネトル、ラズベリーリーフ、チェストベリー、ジャーマンカモミール

鉄分やカルシウムを補う、ホルモンバランスを整える、リラックス効果をもたらす、といった効能を持つハーブたちです。女性は月経を迎える約一週間ほど前から、体内の鉄分やカルシウムが減少していきます。鉄分が不足すると、白血球の減少を招いて免疫力が下がってしまったり、黄体ホルモンの減少から生理不順や不妊などの症状を招いたり、酸素を運ぶ血中のヘモグロビンの減少から体内の酸素不足を招き、疲れやすくなったりします。ネトルは鉄やビタミン、ミネラルを豊富に含む、大変栄養価の高いハーブです。チェストツリーは黄体ホルモンを増加させるハーブとして最も有名で、月経サイクルによるホルモンの乱れを調整し、強い月経痛やPMS(月経前症候群)などの症状を緩和してくれます。また、ホルモンバランスを崩した際のイライラや不安感等は、鎮静効果の高いジャーマンカモミールが癒してくれます。

 

 これらのチンキ剤は、大抵水で薄めて使いますが、そのまま遮光瓶に移して、必要な時に飲み物に小さじ一杯程入れて飲んだりもします。子どもに飲ませる際には、熱い飲み物に入れてアルコール分を揮発させます。

 チンキ剤作りにすっかりハマり、あれこれ作っている私ですが、チンキ剤には様々な利点があります。

 

☆アルコールは、ハーブの親油性の成分と親水性の両方を抽出するという特徴がある

・・ハーブティには親水性の成分、精油には親油性の成分が入っていますが、アルコールで浸けたチンキ剤には、この両方の成分が入ることになります。

 

☆アルコールを用いることで、成分の吸収力が高まる

・・アルコール度数が高い程、皮膚への浸透力が強まると言われています。市販の化粧水にもよく「エタノール」と表示があるのは、このためでもあります。

 

☆保存が効く

・・昔から保存料として用いられてきたことからもわかるように、アルコールは殺菌効果が高いため、チンキ剤も数年は常温での保存が可能です。

 

 

 古代ギリシャの医学者ヒポクラテスも、ワインに薬草を浸した薬酒を用いて患者に治療を行っていた、という記述が残っています。また、現在もあるハーブリキュールは、元々ハーブの成分を抽出させて薬として用いるために作られたのが始まりでした。

 生のハーブがなくても、乾燥ハーブはインターネット等で簡単に手に入りますから、あとは瓶(エタノール消毒もしくは煮沸消毒をする)とアルコール(ウォッカが最適)さえ用意すれば、誰でも家庭で作ることができます。瓶にハーブを入れ、ひたひたになる程度のウォッカを注ぎ、一か月程度冷暗所で寝かせ、キッチンペーパー等で濾せば出来上がりです。寝かせている間は、できれば毎日瓶を振るとハーブの成分がより抽出されやすくなります。

 月の光に当てたり、瓶を抱きしめたり、歌を歌ってあげましょうというハーバリストもいます。植物も意識を持っていますので、ハーブを扱う際には、感謝の気持ちと愛情を持って接してあげた方が、ハーブもそれに応えてより波動の高いチンキ剤が出来上がります。

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