子育てをしながら自分を見つめる

 子育てというのは、単に子供を育てる行為というだけではなく、親自身が自分の本当の姿を発見していく過程でもあると思います。というのも、子育てをしていると、否が応でも自分自身と向き合うことになるからです。

 先日、誰かを見て自分が反応することによって、自分の中にある思い込みや信念に気づくということを書きましたが、自分の身近な人や家族のような関係の深い人であればある程、反応が大きくなる傾向があります。自分の子どもであれば尚更です。

 

 初めて子供を授かった時。日に日に大きくなっていくお腹を見ながら、多くのお母さんがこのように考えます。「この子をどのように育てようか。私が親にしてもらって嬉しかったことは、してあげたい。そして、私が親にされて嫌だったことは、しないようにしよう

 無事に出産を迎え、かわいらしい赤ちゃんをこの手で抱いた時も、同じように思っていることでしょう。子供が幼い頃は、ただひたすら愛おしさを感じ、喜びと幸せで満たされていることでしょう。 

 ところが、ただただ無邪気でかわいいだけだった子供も、年を経ればだんだんと個性や自我が育っていきます。おしゃべりもするようになります。その口調は、母親である自分とそっくりで、おかしいくらいです。時には悪さもするようになります。注意もしなければなりません。子供に気づかせてあげなければいけないことがあれば、怖い顔をして叱ることもあるでしょう。

 叱られて嬉しい子供はいませんから、むくれたり、泣いたり、反発したり。わざと同じことを繰り返して、ママを困らせることもあるかもしれません。子供同士のお友達ができてきたり、習い事を始めるなど、子供の世界も次第に広がっていきます。子供自身の自我意識も形成されてくるので、「自分がこうしたい」「自分はこう思う」といった意思表示もするようになっていきます。

 そうなると、もう自分の言うことを無条件に受け入れていた幼い我が子ではありません。自分とは異なる意思や感覚を持った、別個の人間です。けれど、親としてこれだけは教えておきたい、これだけはわかってもらいたい、そのような思いはどのお母さんでも抱いているものです。どうしても自分のいうことを聞いてもらいたい時には、ついつい厳しい調子で子供に言って聞かせようとしたりします。

 

 そんな時、ハッと気づきます。子供に向かって、声を大きくして何かを言っている時。その口調や声のトーン、言葉づかいや表情が、自分の幼い頃の自分の父親や母親そっくりだということに。

 

 あれほど、自分が子供の頃に嫌だったあの叱り方。あの考え方。あの縛り方。幼い自分が反発を覚え、大人になったら絶対自分はあのようにはならないと決心したはずだったのに。自分の子供には同じことはするまいと、あれほど強く思っていたのに。

 そして、そんな自分に反発する子供の姿もまた、幼い頃の自分の姿とかぶって見えます。注意されている時、子供が自分に向ける眼差しは、かつての自分が親に向けていた眼差しと同じものです。自分は、自分の親と同じことをしているのだろうか。かつての自分と同じ思いを、子供にもさせてしまっているのだろうか。

 

 自分の中に、こんなに大きく親が存在していたなんて。その事実に、改めて気づかされることになります。それは、子供を授かって子供と向き合う前までは感じていなかったかもしれません。自分と親は違うし、ちっとも似ていない。性格も考え方も正反対だから。そんな風に思っていたかもしれません。

 確かに、親子とはいえ性格も個性も違う別々の人間です。けれど、自分で考えている以上に、親(特に同性の親)の抱いている信念というものは、無意識のうちに受け継いでしまっているものなのです。

 場合によっては、親から受け継いだ信念が正反対の形で現れることもあります。時計の振り子のように、逆方向に振れるパターンです。例えば、過保護に育った人が、極端な放任主義になったりといった場合です。それも、自分の中に親から受けた影響が非常に強く残っていることには変わりはありません。

 

 このように、親と同じ行為を望まないまま繰り返す無限ループにはまってしまったり、また逆に「親のようにはならない」と強く思うが故に逆にそのことに必要以上に縛られてしまったり、といった状況は、どちらにしても自分らしさを発揮する妨げとなります。

 自分が何かに縛られている、という事実を受け入れることには、ほとんどの方が初めは抵抗を感じるでしょう。自分の中の親の存在になど、普通は目を背けたくなるものです。自分にはそんな縛りはない、と思い込もうとする力が働き、今のままでいいのだという声が聞こえてくるかもしれません(多くの場合、そういった声は自我意識の声です)。

 もちろん、どのような信念で生きるのかは、その人の自由です。ただ、私がみている限りでは、何か特定の信念を親から受け継ぎ、そこに必要以上に縛られたまま子育てをしている方というのは、親子共々苦しんでいらっしゃる場合が多いです。お互いが自分らしく生きられていないからだと思います。本来人は、どのような縛りも受けず(たとえ親からであっても)、その人が心から感じるがままに自由に生きて良いはずで、そのように生きることで初めて心の底から幸せを感じられるものなのです。

 子育てをしているうちに自分の内面を知っていく過程では、時には辛い思いをすることもあるかもしれません。でも同時に、子育てをすることによって自分本来の姿に脱皮するチャンスを与えられている、と考えることもできるのではないでしょうか。自分を縛っていた殻が破れていくと、それまでに感じたことのないような、身体の軽さを感じるようになります。自分の中のモヤモヤ感がなくなっていくと同時に、子供を見る目も変わり、接し方も変わっていきます。そうなれば、お子さん自身も、自分らしさを発揮しながら自由に伸び伸びと生きていくことができることでしょう。

 

 

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