苦手意識をなくすイメージング法

 『イメージを小さくする』テクニックは、感情だけではなく、特定の人や物、出来事などに対しても用いることができます。正しくは、『特定の人や物、出来事などに対して自分が抱いているイメージ』に対してです。

 私たちは、目に映る人や物、出来事などを自分のフィルターを通してみています。例えば、同じ犬を見た時に、人によって「わあ、かわいい!」といって近づく人と「きゃ、こわい!」といって逃げる人がいます。一輪だけ咲いている花をみて、「寂しそうだな」と感じる人がいる一方で、「気楽でいいな」と捉える人もいるでしょう。職場で社員達から恐れられている社長が、自分にはなぜか周りがいう程「怖い」人に見えなかったり、また逆に皆に「いい人」と言われて慕われている人を、自分はなぜか敬遠してしまったりといった、周囲が抱いている感覚と自分の感覚が異なるという経験をされたこともあるかと思います。

 それまでの経験や持っている知識、記憶、信念、思い込みなどは人によって異なるため、各々が特有のフィルターを保有するようになり、それぞれのフィルターを通して物事を見ることになるので、同じものを見ても異なる反応をしてしまうことになります。テレビの同じ場面を見て、涙を流している人の脇で笑い転げている人がいてもおかしくないわけです。

 物事をフィルターを通して見る癖がついているので、特定の人や物、出来事に対して、人それぞれ異なる「イメージ」を抱くことになります。海でおぼれそうになった経験がある人は、「海」と聞いて「怖い、ザワザワする」といったネガティブなイメージが浮かぶかもしれません。昔旅行をして楽しい思い出がある場所に対しては、明るくてウキウキするようなポジティブなイメージを抱いていたりします。「父」「母」「学校」「夏休み」「車」「アフリカ」など、一つの言葉を聞いて浮かぶイメージは、人によって千差万別だと思います。

 

 明るく前向きなイメージは、自分を元気づけてくれたりやる気を出させてくれたりと、ポジティブな効果を与えてくれることが多いのですが、「怖い」「汚い」「暗い」「悲しい」といったネガティブなイメージを抱いていると、そうしたマイナスイメージに足を引っ張られて、思うように行動がとれなくなってしまう場合があります。

 例えば、職場にとても苦手な上司がいた場合。自分はその人に対して「怖い」というイメージを強く抱いてしまっているので、その上司の前に行くといつも委縮してしまい、自分の意見や思っていることが全く言えなくなってしまいます。緊張して伸び伸び仕事ができないので、自分本来の能力を出しきることができません。

 そのような場合、その怖い上司のイメージが、空一面を覆う灰色の雲のように、自分の頭の中を占拠していたりします。『怖い』というイメージがどんどん肥大化してしまっているため、そこに囚われて理性を失い、客観的な観点で物事を捉えることができなくなっているのです。

 

 ここで再び、『イメージを小さくする』テクニックの出番です。自分の中でどんどん大きくなっている怖い上司のイメージ。それを一度、頭の中でくっきりと思い描いてみます。怖い上司のことなんて思い出すのも嫌かもしれませんが、結果的に楽になるステップだと思って、ここはひとつ我慢してイメージングをしてみましょう。イメージができたら、次にその自分の中の”上司”を、少しずつ小さくしていきます。少しずつ、少しずつ、小さく小さく。どんどん小さくなっていきます。自分の中であんなに大きかった上司がどんどん小さくなっていき、手のひらに収まる小人サイズにまでなったら、今度はその上司を手のひらに乗せてポーンと空中に投げて再びキャッチしてみます(注:頭の中での話です)。小人なので、抵抗されてもへっちゃらですし、聞き取れないくらい小さな声なので、コチャコチャ何か言っているようですが、全く耳に入ってきません。自分の手のひらで無抵抗にされるがままでいる上司には、日頃の気迫も勢いもなく、恐怖心もまるで湧き起ってきません。

 しばらく頭の中で、”小さくなった上司”を投げたりキャッチしたり放り投げるなどして遊んでみたら、それを行う前後で、その上司に対する自分のイメージがどう変わったかを感じてみてください。

 これは、NLPというメンタルトレーニング法を応用したものですが、一度にイメージが変わりにくかったら、何度も繰り返し行ってみると良いです。全く同じやり方でなくても、例えば音楽をつけてみるとか、色や場所を変えてみるなどして、好きなように、やりやすいようにイメージングしてみてください。その人の呼び名を、全く異なる名前に変えて呼んでみたりしても良いと思います。音をすり替えると、イメージがガラリと変わります。

 少々荒療治のように感じられるかもしれませんが、自分の中に強烈に居座っているネガティブなイメージを一掃するには大変効果的なやり方です。イメージを作り上げたのは他でもない自分自身なので、気に入らなければいかようにでも変えることができます。

 このようにしてひとまずネガティブなイメージがなくなったら、次のステップとして、その人に対する何かしらの肯定的な意味づけを行ってみることをお勧めします。自分が見ている相手というのは、自分の心の中の投影であるので、きっとそこから何か学ぶことがあるはずです。

 

 自分の中のイメージが変わってくると、今までとは異なる視点でその上司に接することができると思います。恐怖の感情に支配されず理性を取り戻すことができれば、その上司を必要以上に意識することもなくなり、自分らしく振る舞うことができるようになるのではないでしょうか。また、不思議なことに、人に対する自分の見方が変わると、その人の自分に対する振る舞い方が変わってきたりもします。人は、他人に見られているように振る舞ってしまうという性質があるからです。

 

 この方法は、人だけではなくて他の生き物や場所、シチュエーションなど、様々な対象に使えます。あれこれ試しているうちに、イメージというものは自分次第でいくらでも変えることができることに気づくと思います。そして更に、自分の抱いているイメージがいかに現象とリンクしているのかを体感していくと、イメージをもっと自由に使いこなすことができるようになり、心の負担が減って生きやすさを感じられるようになっていくと思います。

 

 

《どうしても苦手意識や恐怖心を抱いてしまう対象物がある場合のサポートエッセンス》

 

♡ミムラス(バッチ)

 特定の何かが怖いという人に。雷が怖い、犬が怖い、高いところが怖い、〇〇さんが怖い、病院が怖い、拒絶されるのが怖い、仕事を失うのが怖い、etc...

 恐怖心が邪魔をして、チャレンジすることをためらったり、自分らしく振る舞うことができずにいる時に。不必要な恐れの感情を癒し、楽しみながら試練に立ち向かうことができるようになります。

 

♡ビーチ(バッチ)

 物事や人の悪い面にばかり目が行ってしまう人に。良いことも悪いことも、コインの裏と表のように一体となっているものですが、そのような中立的な見方ができず、ネガティブな部分にフォーカスしてしまう癖があったり、そのような傾向が出てしまっている時に。理性を取り戻し、人や状況のポジティブな面にも気づくことができ、高い見地から物事を見ることができるようになります。

 

♡フィアレスネス(パシフィック) ¥3,672

 勇気と力強さ。何があっても流動的に、「あるがまま」に今にいられるように。一瞬一瞬、全ての瞬間をハートセンターから受け入れられるように。執着を手放し、高い視点から物事を眺め、愛でないものは恐れであることを理解する。

 ジェリーフィッシュ、オックスアイデイジー、サーフグラス、イエローポンドリリーが入っています。