結婚~本当の愛の始まり

 大学時代の後輩の結婚式に呼ばれ、参列してきました。なんちゃってではないホンモノの神父さんが執り行う式にも参列させて頂き、久しぶりに厳粛な空気に触れました。

 

 神父さんは式で、結婚する2人に「これからが本当の愛の始まりです」と話されました。


 トキメキや「好き」といった恋愛感情が永遠に続くことはなく、いずれなくなっていくものです。けれど、そこからいよいよ本当の愛を育む時期に入ることになるのです。

 恋愛というものは、男女が本当の愛に目覚めていくためのきっかけである、とどこかで読んだのを思い出しました。恋愛の発展形が本物の愛というわけです。常にトキメキのみを追い求めるということは、愛の入り口段階をウロウロさまよっている状態と言えるかもしれません。

 

 そして神父さんは、聖書に出てくる通称「愛の賛歌」と呼ばれる、以下の有名な一説を朗読してくださいました。

 

そこで、私はあなた方に最高の道を教えます

 

 たとえ、人々の異言、天使たちの異言を語ろうとも、愛がなければ、私は騒がしいどら、 やかましいシンバル。

 

 たとえ、預言する賜物を持ち、あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ、山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい。

 

 全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも、誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうとも、愛がなければ、わたしに何の益もない。

 

 愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。


 愛は決して滅びない。預言は廃れ、異言はやみ、知識は廃れよう、わたしたちの知識は一部分、預言も一部分だから。完全なものが来たときには、部分的なものは廃れよう。

 

 幼子だったとき、わたしは幼子のように話し、幼子のように思い、幼子のように考えていた。成人した今、幼子のことを棄てた。わたしたちは、今は、鏡におぼろに映ったものを見ている。だがそのときには、鏡と顔とを合わせて見ることになる。わたしは、今は一部しか知らなくとも、そのときには、はっきり知られているようにはっきり知ることになる。

 

 それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。

 

 その中で最も大いなるものは、愛である。

 

(「コリントの信徒への手紙 第12-13章」聖書 新共同訳)』

 

 

 何事にも、何をするにも、何を語ろうとも、根底に愛がなければ意味がなく、ただむなしいだけ。それに対して愛は何にも勝る力強さを持ち、永遠で、真理である。私達は生まれて間もない頃には愛を理解していたけれど、今はもやがかかったようにしか理解していない。そしていずれ魂の世界に戻る頃には、再び愛の真理に気づくであろう。内なる自己を信頼し、希望を捨てず、愛を感じ愛を表現し続けること。あらゆるものの中で愛ほど偉大なものはなく、愛は何よりも尊く、完全である。それ以外のものは愛の一部でしかない。

 

 そのようなメッセージを感じ取りました。

 

 ちなみに、聖書でよく説かれる「信仰を持ちなさい」という教えですが、私は以前これをキリスト教や教会に忠誠を誓うこと、といった意味の「信仰」と捉えていました。けれど最近、イエス様は本当はそういう意味では言っていなかったのではないかと考えるようになりました。イエス様が「信仰を持ちなさい。信仰が何よりも大事です」と言ったのは、自分以外の何かにすがったり頼ったりするのではなく、「自分自身、つまり内なる自己を信頼しなさい」と言いたかったのではないかな、と思っています。

 自分自身を信頼するということは、自分を造った全宇宙、神なる存在を信頼することと同じです。自分も宇宙の一部であり、全体の一部だからです。自分の周りにいる人々を含め、あらゆる存在がそうです。万物は調和がとれていて、欠けている部分や足りない物はなく、無限の可能性を秘めている。全体の一部である自分自身もそうである。そのことをいかに深く信頼することができるかどうか。どれだけ確かに信じることができるか。そこを試されているのかなと思います。

  そして、根底に流れているエネルギーが愛なのです。愛のエネルギーなしでは、私達は学び生きていくことができません。

 

 私はキリスト教徒ではないのですが、聖書の教えには宇宙の真理が散りばめられていると感じることが多いです。一部は歪曲されて伝わった部分もあるように思いますが、神との太いパイプを築くことができていたイエス様やその他の預言者達が言わんとしていたこと、伝えたかったことをくみ取ろうと思って読むと、魂に響いてくるメッセージを感じることができます。