喧嘩には愛

 先日、オバマ大統領が広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花をしました。献花・・花を捧げる。この行為が、どんなスピーチよりもどんなパフォーマンスよりも、”想い”が伝わるメッセージになるのだなあ、と見ていて感じました。 

 

 考えてみても、自分が誰かに花を贈りたいと思う時は、その相手に何かしら自分の気持ちを伝えたい時ですし、反対に好きではない相手に花を贈ろうと考えることはまずありません。

 そして、人から花をもらった時はとても特別な感じがしますし、他の贈り物にはない何かがそこにはあります。花には本当に、癒しと愛のパワーが秘められているのだなと思います。

 

 オバマさんが、被爆者の方と対話をし、その後優しく抱擁する姿が印象的でした。敵対する関係性がほぐされていくのは、こういう時なのではないかと思いました。お互いがいがみ合って、相手が悪い、自分は悪くない、と突っぱねているだけでは、関係が悪化することはあっても、良くなることはないものです。子供のケンカでもそうです。お互いを責めているうちは感情が治まらず、憎しみだけが増強されていきます。

 相手に歩み寄って、憎しみの気持ちを一度脇に置き、「あなたと良い関係を築きたいです」というメッセージを送ることで、相手にもその想いが伝わり、頑なな心がほぐれていくのだと思います。

 

 環境を良い場所にするのも愛だし、人との関係を良くするのも愛。国と国との関係を良くするのもやはり愛なのではないかと思います。相手を責めているうちは良い関係は築けないので、今回少しでも歩み寄れて良かったなと思います。

 

 オバマさんは愛の力を知っている方なのだろうなと感じました。