割れ窓理論の波動的考察

 しばらく前に、ある犯罪学者の方がユニークな防犯対策として、ある方法を話していました。

 

『泥棒に入られたくなかったら、家の前に花を植えることです。』

 

 泥棒のような犯罪者は、エネルギーの高い場所を嫌うので、家の周りをキレイにしておくと、エネルギー(波動)が高まり、そういった人たちが敬遠して寄り付かなくなるのだそうです。

 

 これは「割れ窓理論」といって、かつてこの理論を利用したニューヨークが犯罪率を大幅に下げたことが有名です。地下鉄の落書きを徹底的に消すなどして町の美化に努めた所、より大きな犯罪もどんどん減っていったのだそうです。

 

 波動の法則から考えても、この理論はつじつまが合います。人間も物も場所も全て特定の周波数を発しており、似たような周波数を出しているもの同士は引き合い、逆に著しく異なる周波数を出すもの同士は反発し合い、自然と離れるようになっているからです。

 

 友人関係のような小さな集団から、家族、学校、会社、地域、といった大きなグループまで、よく観察してみると、なるほど皆どこかで似たような波動を持っているもの同士がくっついているのが分かります。その中の誰かの波動が変わると、その人にとってそこはだんだん居づらい場所となり、更に大きく波動が変わるとやがて耐え切れないレベルとなり、そのグループなり場所から立ち去らざるを得なくなる、ということもよく起こります。

 飲食店などを観察していると、そこの常連のお客さん達は、やはりそのお店の波動とマッチした人達なのだなあと感じますし、自分が何となくそのお店が気に入ったり逆に居心地が悪く感じたりするのも、波動が合う合わないが大きく関係していると思います。

 

 

 学生時代、私は通っていた大学近くのフランス料理屋さんでアルバイトをしていたことがあります。ある時そのお店のオーナーが、

「やくざとかチンピラみたいな困ったお客さんが店に来た時、どうしたらいいと思う?」

と私に聞いてきました。しばらく考えて、よくわかりません、と答えると、

「そんな時はね、店の照明を思いっきり明るくして、思いっきり明るい音楽をかけて、店の中をワーワー楽しい雰囲気にするんだよ」

と教えてくれました。やくざとかチンピラのようなお店にとってあまり好ましくないお客さんは、明るくて楽しい雰囲気が嫌いなので、そうするとすぐに出て行ってくれるのだそうです。

 

 これも割れ窓理論の一種かもしれません。というより、波動の法則を利用した対処法といえます。

 

 自分にとって望ましくない人間関係に悩んでいたり、意に反してあまり好きではない人に付きまとわれて困っている時。そんな時、相手を傷つけることなく、自ら離れていってもらう方法があります。

 

それは、自分の波動を上げることです。

 

 人との関係性に悩む時、私達はつい相手に理由があると考えて他人を責めがちですが、その人を自分の元に引き寄せているのは自分自身なのです。自分が発している波動にその人が引き寄せられてやって来ているのです。

 もし、その人に離れていってほしかったら、自分の波動を変えるのが一番手っ取り早い方法です。波動が著しく異なるものは必ず離れていくことになっているからです。それは自然に起こります。相手を変えようとしてもトラブルの元ですし、エネルギーを無駄に使うだけです。

 

 人を変えることはできませんが、自分を変えることはできます。自分に嘘をつくのをやめて、本当にしたいこと、ワクワクすること、楽しいことを選択していけば、自然と波動は上がります。笑顔と感謝の心でハッピーオーラを出していれば、自分にとって望ましくない人達が寄ってくるはずがありません。反対にネガティブな思いは波動を下げますので、他人を悪く思ったり、非難したり、憎んだりしていると、そのようなネガティブエネルギーに呼応した人々が引き寄せられてしまいます。

 

 あの人なんだか嫌だなあ、離れたいなあ、と思ったら、その人を責めたり悪く思う代わりに、自分が出している波長に注目してみるのがお勧めです。そして、人をどうだこうだ言うことにエネルギーを使うのではなく、自分の波動を上げることにエネルギーを使いましょう。