夕方。その日の疲れが集中してやってきて、何となくけだるさを感じるこの時間帯は、主婦が一日の内で最も忙しい時間帯でもあります。
下の子供が生まれたばかりの頃、私は毎日孤独に分刻みの生活を送っていました。引っ越したばかりの見知らぬ土地で知り合いもなく、両親は離れた場所に住んでいるため手伝いも頼めず、夫の帰りは遅く、赤ちゃんのお世話もしなければいけないのに上の子にもまだまだ手がかかり・・・何よりも私は性格的に何でも「完璧に」やらなければ気が済まないタイプでした。家が汚れるのも嫌だし、子供の世話もちゃんとしたい。ご飯も三食きちんと作らなければいけない。なおかつ、自分磨きで続けてきた英語の学習も毎日やりたい。サボるのはいけないこと。そのように自分に課し、できないと自分を責めていました。
一日のうちで、ゆっくりと座ってお茶を飲む余裕すらなく、ずっと頭と体をフル稼働し続けていたように思います。
ある日の夕方。一日の内で一番忙しい時間帯がやってきました。その日はいろいろと立て込んでいて、私は急いで晩御飯の支度に取り掛かっていました。そんな時に限って、下の子の機嫌が悪く、ベビーベッドの上でギャーギャーと泣き騒いでいます。オムツは替えたしおっぱいもあげたはずなのに・・抱っこしてほしいのかもしれない。そして親の状況なんてまだまだ理解できない年頃の上の子も、私に構ってほしくて向こうの部屋から「おかあさーん」と呼んでいます。けれど私は今急いでご飯を作らなければいけない。早くしないと子ども達をお風呂に入れて寝かしつける時間が遅くなってしまいます。もうすぐお風呂が沸こうとしています。お鍋はピーピー言っています。
「ギャーギャー」「おかあさーん」「ピーピー」、「ギャーギャー」「おかあさーん」「ピーピー」・・・
プツッ
私の中で何かが切れたような感じがしました。その瞬間、私はその場にペタっと座り込み、そこから動けなくなってしまいました。赤ちゃんのお世話も、上の子の相手も、お風呂の準備も晩御飯の支度もしなければいけないのに。この瞬間にやらなければいけないことがたくさんあるのに。
赤ちゃんの泣き声も、上の子の私を呼ぶ声も、お鍋が沸く音も、遠くの方で聞こえているような感覚でした。泣きたいのに涙すら出てきませんでした。
私は、自分で自分のスイッチを一時的に切ってしまったのかもしれません。逃避のようなものでしょうか。
あの日、その後どのようにしてあの場を乗り切ったのか、なぜだか記憶がなく、全く思い出せません。ただ、一瞬全身から力が抜けたように動けなくなり、一時的に自分が"Off"になったかのようなあの時の感覚だけが、妙にリアルに今でも残っているのです。
人間自分のキャパを超えると、あのようになるのかもしれません。肉体的な忙しさもあったでしょうが、あの頃の自分は何より気持ちが落ち着く暇がありませんでした。いつも何かに追われているような感覚があり、やってもやってもまだ足りない、まだできる、まだやらなければいけない、とプレッシャーのようなものが覆いかぶさってくるようでした。そして、全て1人でこなさなければいけない、助けてくれる人なんかいない、と思っていました。弱音を吐くことも苦手でした。
2人の子供もある程度大きくなった今は、目が回るほどの忙しさを体験することはほとんどなくなりました。あの頃と比べれば、信じられない程ゆったりと過ごせています。適度に手を抜くことも覚えたし、主婦としてのスキルも多少は上がって、昔よりだいぶ要領良くこなせるようになりました。
そんな今でも、夕方頃になるとワサワサと気ぜわしくなり、子供の相手やら晩御飯の支度やらに追われて時間との勝負になることがあります。また、うぶすなのお仕事があったり出かけたりした日などは、やはり夕方頃に疲労を感じることもあります。
そんな時、私の力強い味方となってくれるのが、やはりフラワーエッセンスです。最近のお気に入りは、ヒマラヤンフラワーエンハンサーのチャクラキットに入っている、『Down to Earth』と『well Being』。それぞれ、第一チャクラと第二チャクラを活性化してくれる作用があります。疲れている時というのは、下の方のチャクラがバランスを崩していることが多いようです。そんな時にこの二つのエッセンスを飲んで下部チャクラをパワーアップさせてあげると、ぐんぐんと活力が舞い戻ってきて、またひと頑張りできるようになるのです。
私はこの二つに、バッチの『ホワイトチェストナット』と、パワーオブフラワーの『ホワイトマグノリア』を合わせて飲んでいます。ホワイトチェストナットは、頭頂部分に過剰なエネルギーがいっている時、クールダウンしてくれます。下部チャクラを活性化してくれるものと一緒に飲むと、エネルギーの通りが良くなってバランスがとれるようです。また、ホワイトマグノリアも、エネルギーバランスをとる助けとなってくれているように感じます。
毎日綱渡りのような生活を送ってアップアップしていたかつての自分が、もしフラワーエッセンスを知っていたら、どんなに救われたかわかりません。あの頃の自分には、この4つのフラワーエッセンスに加えて、
『エルム』
(プレッシャーや、やらなければいけない仕事の量に圧倒されている時に)
『オーク』
(何でも1人でやらなければと思い、助けを借りずに自分で抱え込んでしまう人に)
『オリーブ』
(疲労を感じてエネルギーが枯渇しているような時、魂の底から湧きおこるような活力をもたらしてくれる)
『ロックウォーター』
(何でも完璧にやらなければ気が済まないタイプの人に。自分に課したルールや、1つのやり方にこだわり、柔軟性を欠いている時に)
『インパチェンス』
(早くしなければと焦ったり、時間に追われているような時に)
・・・あたりを処方してあげたいです。バッチが多いということは、人間の基本的な症状に悩まされていたのだなと思います。物理的な忙しさはどうにもならない部分があるかもしれませんが、せめて精神的な疲労感や余裕のなさが少しでも緩和されていたら、心がだいぶ楽になっていたことでしょう。必要な時には誰かにヘルプを求めるとか、つらい気持ちを誰かに聞いてもらうとか、そういった行動もとれていたかもしれません。