失恋とフラワーエッセンス

 ホメオパシーは、「同種療法」とも呼ばれます。これは、『似たもの(同種)が似たものを治す』という原理に基づいているからです。この考え方は、古今東西様々な民間療法でも用いられてきましたし、医学の祖ヒポクラテスや、中世の錬金術師パラケルススも取り入れていました。

 例えば、赤玉ねぎから作られた「アリウム・セパ」というホメオパシーがあるのですが、これは花粉症や風邪などの時、鼻水が出たり目が赤くなって涙が出てくるような症状の時に対応します。鼻水が出て目が赤くなり涙が出る・・これはまさに、玉ねぎを切った時に出てくる成分に体が反応した時の症状と同じものです。そのような症状が出ている時、このアリウム・セパというホメオパシーを飲むと、そのバイブレーションが体に入り、症状が緩和されるのです。

 

 フラワーエッセンスも、同種療法の原理を取り入れた波動療法と言えます。その花のもつ、ネガティブとポジティブ両方のエネルギーに、ネガティブに傾いている人をポジティブに変換させる作用があるのです。ちなみに不思議なことにその逆が起こることはなく、つまりポジティブな状態の人がその花のエッセンスを飲んでも、ネガティブに傾くことはないのです。例えば、バッチの「ホリー」というエッセンスは、”怒り”に対応するエッセンスです。何かに怒りを感じて攻撃的な感情が渦巻いている人が飲むと、スーッと怒りが取り去られて感情が穏やかになっていきます。一方で、普段怒りっぽい人が穏やかな状態の時にホリーを飲んだとしても、その人が急に怒り出す、ということはありません。ただ何も起こらないだけです。

 

 それぞれの植物が持つ特定のバイブレーションを、そのバイブレーションと似た領域にいる人が取り入れた時、何かの反応が起こり、バランスの取れた状態に戻してくれるようです。

 

 

 私は、この同種療法の原理というのは、人間同士でも起こっていることなのではないかと感じています。同じ傷つき体験をした人同士が集まったり、話をしているだけで、そこに癒しが起こります。過去に自分と同じ悩みを抱えてそれを克服した人と会うと、勇気が湧いてきて「自分も乗り越えられる」と前向きに考えられるようになります。

 その人の持つバイブレーションが、やはり似たバイブレーションを持つ人と反応して、そのような癒しが起こるのではないかと思うのです。

 

 このことを考える時、私は若かりし頃のある1つの思い出がよみがえってきます。

 

 独身時代、私は手痛い失恋を経験したことがありました。何となくこの人とはうまくいかないだろうな、ということはわかっていたので、実際うまくいかなくなった時も、「ああやっぱりね」という感じで、納得できていました。それでも、やはり心は傷ついていたのでしょう。失恋した直後、気晴らしにと友人が誘ってくれたワインパーティに参加している途中、私はそこに参加していた人と話している最中に、突然涙がバーッとあふれ出てきて止まらなくなってしまったのです。自分では「こんなの全然平気」と思っていたのに、押し殺していた感情が急に出てきてしまったようでした。

 慌てて友人がパーティ会場から私を外に連れ出し、近くの喫茶店に連れて行ってくれました。友人は、そこで黙って私の横に座ってくれました。ひたすら泣き続ける私のそばで、何も言わず、ただ自分も同じように涙を流していました。私は、その友人もまた、過去につらい失恋経験があることを知っていました。今思えば、周りの人たちは一体何事だろうと驚いていたのではないかと思うのですが、そんなことにも構わず私達は2人で気が済むまで泣き続けました。友人も、失恋して泣いている私と一緒に泣くことで、もしかしたら自分の傷も癒されていたのかもしれません。

 特に多くの言葉を交わしたわけではないのですが、私はその友人のそばで泣いたことによって、すっかり元気になり、だいぶ気持ちも吹っ切れて、前向きになっていました。自分と同じ傷を負った人に、これほどまで癒しのパワーがあるとは知りませんでした。

 

 

例によって、あの時の自分にエッセンスを選ぶとしたら・・

 

ブリーディングハート

(傷ついたハートを癒す。人との別離、喪失などのストレスやトラウマのケアに)

 

ヌーツカローズ

(ハートチャクラにパワーをもたらす。痛みと悲しみを愛に変換してくれる。)

 

ブラックコホッシュ

(執着や依存を手放す。辛い人間関係の終わりを経験した時に。)

 

アンゼリカ

(グラウンディングを助け、不安や恐れでバランスを崩した状態を安定させる)

 

ボラージュ

(ハートに重苦しさがある時に。元気で軽やかな状態に戻し、スタミナと勇気がもたらされる)

 

フロックス

(魂に平和を呼び込み、穏やかな暖かさで包み込まれるような感覚が得られる。ストレスや

ショックを経験した時や、不安や心配なことがある時などに。)

 

 

あたりでしょうか。

 

 これらは皆パワーオブフラワーのエッセンスですが、こうしてみると、繊細で優しく作用してくれるパワーオブフラワーのエッセンス達は、まさに失恋などの心の痛みにピッタリなものが多いなと感じます。作り手のイーシャさん自身も、とても繊細で優しい女性ですが、作り手さんのキャラクターがエッセンスにも表れているように思います。

 

 ちなみにあの失恋の後、私はすぐに今の夫と出会い、とんとんと結婚が決まりました。そしてあの時一緒に泣いてくれた友人は、なんと私の夫の友人と結婚し、今ではかわいい3人の子供のママさんです。