ダガーハキア

 オーストラリアン・ブッシュの「ダガーハキア」。このエッセンスは、家族や恋人のようにずっと親しくしていた人たちに対するわだかまりや恨み、怒りを感じている人のためのものです。

 

 『愛憎』という言葉がありますが、愛するあまりそれが憎しみ変わったり、相手に対する思いが強いが故に、執着も強くなることがあります。

 

 幼い子供と親との間には、エネルギー的にも心理的にも大変強い絆があります。大きくなるにしたがって、それらの繋がりが徐々に変化していくものなのですが、成長した後も幼い頃のような支配的・依存的な関係性が残ってしまうことがあります。

 

 私達が真に自由を感じて生きる上で、一番の障害が家族であるということも実は多いのです。

 

 そのことに気づき、大人になった自分が未だに親の強い影響下から抜け出せていない、ここを何とかしなければいけない、と思うに至った場合。今まで自分を”縛って”きた親に対する恨みや怒りが一時的に噴出してくることがあります。

 私は私らしく生きたい。いつまでも親の顔色をうかがい、親の反応を気にして生きるのは嫌だ。そのためには、一度自分の中で、心理的・エネルギー的に親と決別する必要があるのですが、その際怒りが強い原動力ともなるのです。

 時には、親に対して、謝ってほしい、自分の過ちを認めてほしい、という思いが湧いてくるかもしれません。自分の思いをぶちまけてスッキリしたいと願うかもしれません。

 

 けれど実際には、親自身の価値観と、自分が心から自由を感じていられるかどうかということは、あまり関係がありません。私が私らしく生きていられるかどうかということは、親がどうであるとか、彼らがどう考えているかということとは、別の問題なのです。もう、そこにとらわれない方が良いです。親といえど、違う人間です。違う人生、違う価値観、違う生き方を選択した人たちなのです。自分が認めてもらいたかったら、自分も相手の生き方を認めなければいけません。

 

 怒りは時として行動を起こすための起爆剤となることもありますが、怒りや恨みをいつまでも引きずっていると、そのネガティブエネルギーに今度は自分が参ってしまいます。他人の状態や過去に起こったこと、これらは自分の力ではどうにもならないことです。どうにもならないことを何とかしようとすると疲れます。それよりも、今の自分の心に目を向けて、価値観、執着、思考のクセを見つけて矯正していった方が、怒りを早く手放すことができます。