ハートで他人を受け入れる

 中学生活にも少しずつ慣れてきた娘ですが、慣れてきたらきたで、友達との関係や部活の先輩との関係など、様々な試練も出てきているようです。

 

 いつも娘用のトリートメントボトルには、その時の様子を見て私がいくつかブレンドして入れているのですが、今回は、オーストラリアンブッシュの「ボウヒニア」「フレッシュウォーターマングローブ」を入れています。前者は、新しいものや人、環境などを受け入れる力を高め、自分とは異なる慣習や考え方をもつ人に寛容になるためのエッセンス。後者は、偏見や固定観念を解きほぐしてくれるエッセンスです。

 今まで出会ったことのないタイプの人や、経験したことのない出来事に日々遭遇している娘が、自分の置かれている状況にどう対応したらよいのか、どうしたらうまくつきあえるのか、暗中模索している様子だったので、選んでみました。

 

 飲んでから1週間ばかり経った頃、娘が

 

「お母さん、あの”受け入れる”っていうの、すごいね」

 

 と言ってきました(娘にはエッセンスの効用をわかりやすく伝えてありました)。どうしてそう思うのかと聞くと、部活でどうしても苦手意識を持ってしまっていた友人と、最近うまく付き合えるようになってきたのだそうです。

 なんでも、一緒に部活の準備作業をしていた時、作業をしながらいろいろな話をしたそうです。すると、話が弾み、雰囲気が良くなって、「楽しかった」とのこと。それと共に、それまでその子に対して抱いていた偏見もほぐれ、自分が誤解していた部分があったことにも気づいたのだそうです。

 

 

 苦手だなと思っていたり、良い印象を抱いていなかった人と実際に会って話をしてみると、自分が考えていたような人ではなかったことに気づき、今までどうしてあんな風にネガティブに見てしまっていたんだろう、と反省することはたくさんあります。コミュニケーションをとることで、その人の立場や考え方への理解が深まり、一方的な価値観で見ることをしなくなるからだと思います。また、事前にあまり良くない噂を聞いていた人と実際に触れあってみたら、他の人たちが言っているのとは異なる印象を受けることもあります。その人がどのような理由でどのような思いを抱いているのか、理解したい、わかりたいという姿勢でいると、相手も心を開き、ハートとハートのコミュニケーションが起こりやすくなります。

 

 大抵、他者に対する偏見や誤解はマインド(頭)によって生じています。マインドは、事前にあれこれと理論武装をし、自分を正当化したいがために他人を悪者に仕立て上げる傾向があります。人を受け入れるためには、このマインドが創り出している偏見を打ち壊さなければいけません。偏見は、自分を客観的に見つめない限り、自分の中にあることにすら気づかないものです。頭のおしゃべりに圧倒されている状態は、マインドが優位に立っているということです。その状態では、他者への理解はまず生まれません。マインドレベルから抜け出して初めて、ハートで感じることができます。そして人は、ハートでしか人を受け入れることはできません。