エッセンス選びは直観で

パープルクロッカス
パープルクロッカス

 今から数年前。その頃小学生だった娘が、学校から帰ると、フラワーエッセンスが並んでいる棚の前に行き、おもむろにあるボトルを指さして、

 

「お母さん、これ飲んでいい?ねえ、いい?」

 

と聞いてきました。今すぐに飲みたい、今飲まないと苦しい、といった息せき切っている様子でした。

 

 普段そんな風に飲みたいエッセンスを自分から指定してくることはありませんでしたし、そもそも数あるボトルの中でなぜそれを選んだのか(娘はエッセンスの知識がほとんどありませんし、ボトルに書かれている英語も読めていないはず)よくわかりませんでしたが、もちろん私はいいよと答えました。

 

 それから1週間くらい経ってから、私は担任の先生との面談で、娘がエッセンスを飲みたいと言ってきたあの日、クラスの中で娘がちょっとしたショックを受ける経験をしていたことを知ったのでした。それは、長い人生の中では誰しもが一度くらいは味わうであろう、ほろ苦い類のものです。

 

 その話を聞いて私は、娘がなぜあの日にあのエッセンスを欲していたのか、ようやく腑に落ちました。娘が選んだエッセンスは、パワーオブフラワーの「パープルクロッカス」。”悲しみ”に対応するエッセンスです。悲しみや恥辱感、罪の意識、批判的な思い、そういった胸に集まるネガティブなエネルギーを優しく緩和してくれます。作り手のイーシャさんは、この花の形は人間の肺に似ているといいます。

 人間の各感情は、諸臓器と繋がっているそうなのですが、悲しみは肺に集まるといわれています。長年深い悲しみを抱き続けていると、肺に不調が表れることがあります。そういえばオーストラリアンブッシュのイアンさんも、孤児院の子供は肺炎に罹る率がとても高いとおっしゃっていました。両親がいる子供より、悲しみや寂しさが強いからなのでしょうか。(ちなみにイアンさんは、そうした子供達に無償でエッセンスを送っているとのことで、エッセンスを飲むようになったら、子供達の罹患率が急速に下がったのだそうです)実際、悲しくつらい経験をした時に、肺がキューっと握られたような、物理的な痛みを感じることがあります。

 

 

 この出来事のことを随分忘れていたのですが、つい先日、中学生になった娘が再び、エッセンスの棚のじっと眺めながら、

 

「お母さん、この2つのエッセンスが気になる」

 

 と言ってきました。パシフィックの「ハートスピリット」と、コルテの「ピンクイルカ」。両方とも、ハートをオープンにし、感情や人間関係の問題を楽にしてくれるものです。中学校生活を送る中で、日々様々な人と接し、何かと胸に抱える思いなどもあることでしょう。父親にシャッフルしてもらい、目をつぶってどちらを飲むべきかを選び(ピンクイルカが選ばれました)、その日から毎日自ら水に入れて飲んでいます。なんとなく、表情が柔らかくなり、優しい雰囲気になってきました。緊張感が緩和されて、攻撃的な感情がほぐされてきている感じです。口ごたえや、私に突っかかってくることも減りました。

 

 そういえば、思春期の入り口に差し掛かったくらいの頃にも、いきなり「このエッセンスが飲みたい」といってきたことがありました。パワーオブフラワーの「ニューライフバランス」。変容の時期を迎えている人に良いエッセンスです。

 

 こんな風に、直観が命じるまま、どんぴしゃで自分が最も必要としているエッセンスを選ぶことができるなら、私のようなプラクティショナーなんて本当はいらないんじゃないかと思ってしまいます。子供は先入観が少ないので、特に迷いなく選べるものなのかもしれませんが、こうした能力は本来誰にでも備わっているものです。大人でも、エッセンスを選ぶのに迷ったら、自分の直観を信じて、その導きに従って決めるのが一番いいのかもしれません。