知っている悪魔の方がまし?

 "Better the devil you know than the devil you don't" 

 

 英語のラジオなどを聴いていると時々耳にする表現です。日本語で言うと、「知らない悪魔より、知っている悪魔の方がまし」といった意味です。

 

 人が変わるためには、強い意思とエネルギーが必要という話は何度もしてきました。たとえ現状にちっとも満足していなかったとしても、何が待ち受けているかわからない変革を起こすより、今の状況に安住することを、人は選びがちです。それは何かが自分の足を引っ張っているからなのですが、この「何か」というのを、人間のマインドは簡単に、他人や置かれた環境のせいにします。こんな環境で育ったから、親が反対しているから、経験がないから、お金がないから、パートナーがゆるしてくれないから、時間がないから、自分には能力がないから、周りに何か言われそうだから、どうせ失敗するから、誰もやっていないから、etc,etc...

 

 なんだかんだで頭が納得する理由を見つけて、それを自分に言い聞かせる。けれど心の奥底では、今の状態から脱却することを望んでいる。だからずっとモヤモヤした違和感があるし、どこか息苦しい、自由じゃない感じがするし、「私」が殺されているような気がするのです。

 

 それでもやはり、不安や疑心の方が勝っていると、なかなか最初の一歩が踏み出せないものです。

 

 となると、まず最初に取り組むべきことは、自分の恐怖心と向き合うことです。私は何を恐れているのか。何を失うことが怖いのか。客観的に見えてくると、恐怖心が薄れていきますし、行動を起こしやすくなります。

 

 肉親やパートナー(友人や先生、仕事関係の人も)ともうすでにうまくいかなくなっていて、自分らしく生きるためには物理的な距離を置いた方が良いことを心のどこかではわかっているのだけれど、なぜか一緒にいることを選んでしまっている方は、本当にたくさんいらっしゃいます。

 

 様々な事情もあることでしょう。けれど、たとえ一時経済的に苦しくなったとしても、多少孤独になるとしても、周りであれこれ言う人がいたとしても、この先もずっと窮屈で縛られた生活を続けるよりは、自由で、自分らしく生きられる方が千倍ましではないでしょうか。

 

 自分らしく生きる決心をした人は、宇宙がサポートしてくれます。案外、あれこれ考えるより思い切って行動を起こしてみると、考えていたような障害は起こらなかったりします。抱いていた恐怖は、実は幻で、本当は恐れを恐れていただけだったということに、行動を起こしてみると気づくものです。

 

 人の不安につけこんで、他人の心をコントロールするのが上手なタイプの人もいます。お互い無意識でコントロールをする・される関係に陥っている場合もあります(こちらの方が多いかもしれません)。いずれにしても、そこから脱却したいと本気で望んでいるのなら、とにかく何かしらのアクションを起こしてみることです。恐れは幻です。具体的に動いていると、その事実がみえてきます。

 

 

『どんなに高い代償を払っても、自由を手放してはいけない』。

 

 中世の昔から高い自治制を保っていた、イタリアのとある都市国家の広場に刻まれている言葉です。何を失おうとも、自由ほど尊いものはありません。物理的な環境など、宇宙が面倒をみてくれます。心の自由、魂の自由を感じずに生きるのは本当につらいことです。そこから脱却することは、できないと思い込んでいるだけで、本当はいつでもできることなのです。