誰のせいでもない

 繊細で敏感なタイプ、いわゆるエンパスやHSPと言われるようなタイプの人というのは、そもそも感情の影響を人一倍受けやすいです。

 他人の感情の影響を受けやすいだけでなく、自ら産み出した感情に圧倒されることも多いです。

 

 ですから、自分がそういうタイプだと自覚しているのであれば、一日のうちに何度か、マインドと感情をリセットする時間を作る習慣をつけた方が良いです。そうでもしなければ、気づいたら頭の中は常にエゴのおしゃべりが絶え間なく続き、それに基づいた感情が次から次へと湧き出してはそれに引っ張られて精神的に疲れる、という状況に陥ってしまうことでしょう。そんな状態では、理性で物事を考えることもままならず、自分の本当の望みも見失い、暗闇の中で一体今何をしたら良いのかもわからないまま迷子になってしまいます。

 

 エンパスやHSPといった人は、本質的に、優しい人が多いです。とても善の意識が高いです。であるからこそ、ネガティブな考えや感情を抱くことに対して、罪の意識が強くなるようです。理想の自分は愛に溢れている姿なのに、そうではない現状を認めることができなくて、自分を責めてしまうのです。

 あるがままの状態を受け入れることができないと、素直に感じている自分の思いや感情を否定することになります。そして否定されたままの思いや感情は、次々と内側に押し込められ、蓋をかぶせられて「ないこと」にされます。

 

 敏感タイプの人は、こういったわけで、内側にたくさんの怒りや悲しみといった感情をため込んでいることが多いです(そしてそのことを否定したり、隠したりする)。エネルギーワークをしたり、フラワーエッセンスを飲んでいると、こうした封印していた記憶や感情が一度に出てくることがあります。最初は驚くかもしれませんが、それは浄化のプロセスなので、あまり出てきたものにとらわれず、淡々と手放していった方が良いです。肯定も否定もせず、ただ、受け入れて愛で包んであげてください。

 

 

 

 もう一つ、敏感で繊細なタイプの人が陥りやすい落とし穴があります。それは、ともすると被害者意識孤独感が強くなりがちだということです。ご存じの通り、まだまだ不条理で理不尽なことがたくさん起こっている世の中です。善意で動く人ばかりとは限りません。そんな状況を目の当たりにすると、敏感繊細タイプの人は、どうしても傷つくことが多くなります。ショックを受けた時の反応が人一倍激しいので、次第に傷つくことを恐れて、必要以上に他人や社会を警戒してしまうようになったりもします。そして、次第に孤独を感じるようになります。誰も私のことをわかってくれない、私のこの苦しみを、痛みをわかってくれる人なんていない、私には居場所がない、助けてくれる人はどこにいるのだろう・・・

 

 そうなったときに、今のこのつらい状況に自分がいるのは、「周りのせい」だと思ってしまうと、自分が被害者になってしまいます。人は放っておくと、何か自分の身に望ましくないことが起こった際には、誰かのせいにしたくなるものです。

 本当は、自分の身に起こっていることは、大抵自分が創り出しています。無力に思えている自分は、本当は創造する立場にあるのです。状況を変えたかったら、自分が内側から変わること。これしかありません。他人を責めているうちは、物事が変わらないどころか、絶え間なく産み出される負の感情に圧倒され、本質が見えないまま、同じところでもがき続けることでしょう。

 

 

 そもそも、エンパス、HSPに生まれてきたこと自体を、受け入れていない人も多いかもしれません。敏感気質であることを、マイナスにとらえてしまっているのです。確かに、一見、損することが多いように思えるのかもしれません。

 けれど、世の中には、エンパス、HSPであるがゆえに味わう様々な困難を乗り越え、勇気をもって社会に出ていき、自分の持って生まれたギフトを最大限に生かしている人がたくさんいます。傷ついても立ち上がり、あきらめずに前向きにやるべきことをこなしていけば、自分の才能や経験を、他者への奉仕に役立てることだってできるのです。

 

 

「決して人のせいにしないこと」

「自分を憐れむのをやめること」

「持って生まれたギフトを大切に生かしていくこと」

 

 この三つを意識して、勇気と希望をもって行動を起こしていけば、必ず望ましい方向に導かれていくはずです。サポートもたくさんやってくるでしょう。