光と闇Ⅲ

 右のイラストのイメージは、昔からよく使われるモチーフで、馴染みがある方も多いかと思います。

 

 アイルランド人のローナ・バーン(Lorna Byrne)さんは、幼い頃から日常的に天使や天使的な存在を目にしてきた人で、その経験をいくつもの本に記しています(日本語に翻訳されているものもあります)。ローナさんには、普通の人間と同じように天使が見えるそうなのですが、天使たちは常に人間をサポートする活動をしていて、このイラストのように、人が何かをしようとしている時や迷っている時、決断をするときなど、ひっきりなしにその人のためになる言葉を囁きかけているそうです。けれど、天使たちも私たちの意思を妨害することはできないので、いくらその人のためになることを助言しても、その人自身が決断しない限り、無理やり考えや行動を変えることはできないとのこと。この宇宙には自由意思の法則が働いているので、天使であってもそのルールには逆らえないのです。ちなみにローナさんによると、天使たちは、たとえ人間が自分たちの助言を聞かず、悪の道に進んでいったとしても、決して見捨てることはしないそうです(悲しそうな顔はしているとのことですが)。

 

 一方、アメリカ人のブレイク・ヒーリー(Brake Healy)氏は、幼い頃から天使的な存在だけでなく、悪魔的な存在も同じように目にしてきた方です("The Veil", "Indestructible", "Profound Good")。ヒーリー氏によると、天使的な存在達は確かに、私たち人間を守ったり導いたり、絶え間ない援助の手を差し伸べてくれているそうです。それと同時に、悪魔的な存在達もまた同様に存在していて、私たち人間に対し、すきを見ては誘惑したり憑りついてみたり、妨害を加えようと常に機をうかがっているとのこと。興味深いのが、そうした悪魔的な存在は、人が善意に基づいた決心をした瞬間にパッと離れたり、ポジティブな行動をし続けていくうちにだんだん小さくなって終いには消えていくということです。

 

 結局、目に見えない存在達は、私たちをサポートしたり妨害しようとするけれど、根本的に方向性を決めているのは、私たち人間の意思であるのだなと思います。目に見えないエネルギーは確かに存在していますし、多かれ少なかれその影響は人間世界に及んでいます。しかし、光の存在を味方につけてポジティブに歩んでいくか、闇の存在に翻弄されて目的を失い、停滞し続けたり堕ちていくかどうかは、自分たち次第というわけです。

 

 

 

 映画「スターウォーズ」に出てくるダースベイダーというキャラクターは、元々は天才的な能力をもった、純粋な若い騎士でした。しかし、力を得たいという望みをもった時、暗黒面の存在の甘い言葉に誘われ、その誘惑に乗ってしまいます。暗黒の力を手に入れると同時に、彼はダークサイドに堕ちていってしまうのです。

 

 この物語は、私達人間の「力(パワー、フォース)」に対する憧れと欲望、そして誘惑に負けて相手の罠にはまり、闇に堕ちていく様をよく表していると思います。私達は、常にこの誘惑には意識的でいなければいけません。なぜなら、闇が渇望し、どんな手段を用いてでも手に入れようと絶え間ない攻撃を仕掛けている理由とはまさに、この「力」を手に入れたいがためだからです。