エネルギーの仕組み

 かつては、人がいっぱいいるような場所に行くのが苦手でした。大概そういう場所に行くと、そこにいる人たちの様々な念や感情などを感じ取ってしまい、自分もその影響を受けて体が重くなったり、頭が痛くなったり、吐き気がしてきたりしたからです。

 エネルギーの世界のことを学ぶようになって、エネルギーにより敏感に反応するようになったことは以前書きましたが、取り込んでしまったエネルギー(特にネガティブなもの)の浄化を自分でスムーズに行うことができていなかった時期は、あれこれとツールに頼り、クリアーになったなと感じるまで時間がかかっていました。

 今でもエネルギーの世界のことはわからないことばかりですし、自分のエネルギーフィールドのコントロールも完璧にこなせているわけではありませんが、以前と比べるとだいぶスムーズに自力で浄化ができるようになっていったのは、エネルギーの仕組みを頭ではなく体感として理解できるようになってからです。

 

 「怒り」「憎しみ」「嫉妬」「悲しみ」「恐怖」「罪悪感」といったネガティブなエネルギーというのは、波動(バイブレーション)が荒く、低い次元にあるものです。それに対して、「愛」「喜び」「希望」「慈愛」「ゆるし」といったポジティブなエネルギーは、波動が精妙で、より高い次元にあります。大前提として、高い波動のエネルギーは、低い波動のエネルギーを凌駕します。つまり、強いということです。闇は光が当たれば消えます。真っ暗な部屋で電気をつけた瞬間、暗闇はなくなります。それと同じように、例えば、「憎しみ」の感情に対して「愛」の感情をもってすれば、「憎しみ」は消えます。

 ・・・そんなことはない、「憎しみ」が勝つことだってある、と思うかもしれませんが、それは憎しみが「勝って」いるのではなく、人が憎しみを「選んで」いるだけです。本来、愛のエネルギーの方が遥かに強いので、憎しみ対して愛で対抗すれば、必ず愛が勝ちます。憎しみが消えていきます。本人が選びさえすれば、そいうことが自然と起こります。これは観念的なことではなく、エネルギーの世界で実際に起こっている、物理現象であり、サイエンスなのです。

 

 といったことを、頭では理解していたつもりでした。けれど、実際にそれをすんなり実行できるかというと、また別の問題でした。自分の中に、抵抗と葛藤があったからというのと、長年の習慣がなかなか消えなかったからです。頭ではわかっているのだけれど、どこかに疑念があったり、いざネガティブエネルギーに直面した際、それに対してつい自分の中にあるネガティビティが先に反応してしまうという、それまでの癖がなかなか治りませんでした。

 ただとにかく、ネガティビティに対してネガティビティで反応し、自らが産み出した負のエネルギーによって参ってしまう、というサイクルからは、何とか脱却したいと思っていました。もうこんな馬鹿馬鹿しいことをこの先の人生もずっと繰り返していくのはまっぴらごめん、もう心底うんざりでした。ですから、愚直に訓練を続けました。自分自身の浄化と、エネルギーワークの訓練です。何度も言いますが、私自身今でも完璧にできているわけではありませんし、まだまだ発展途上の段階です。しかし、やはり習うより慣れろで、エネルギーワークというのも、意識して行っていると、だいぶ感覚がつかめてきます。

 たとえば、怒りでプンプンしている人がいたとします。以前の私でしたら、そういう人の近くにいったり、その人が怒りを吐き出しながら話すのを耳にしただけで、その怒りのエネルギーを受けてしまい、苦しくなっていました。今は、もしそういう人が目の前にいたとしたら、私はまず自分のエネルギーフィールドの中に、相手の負のエネルギーを取り入れないように意識をします。よく、ブロックをする、といったやり方を耳にしますが、ブロックというとどうしても拒絶してしまうイメージがあり、否定するということにもなるので、私はよほどの強いネガティビティに直面した時以外は、その方法を使いません。自分のフィールドは守りますが、それは他の何物をも通さない、という性質のものではなく、自分にとって必要のないエネルギーがもし入ってきたとしても、そのまま”流れていく”イメージです。滝が流れるように、常に浄化が行われている感覚です。その時に、やはり最強なのが「愛」のエネルギーです。愛は全てを凌駕します。ネガティビティに足を引っ張られそうになった時こそ、自分の中を愛で満たすことが大事です。なかなか葛藤があって愛のエネルギーにフォーカスすることが難しい時もありますが、それでも諦めずに、訓練訓練と思ってやっています。うまくできなくても、自分を責めないようにしています。

 

 だいぶ感覚がつかめてくると、本当にポジティブはネガティブに勝るのだなということが、頭での理解だけではなく、確信に変わっていきます。こうなってきて大きいのが、「恐怖心」が薄れていくことと、自分の持つパワーに対して信頼感が増していくことです。どんなにネガティブな人がネガティブな感情や念を放っていたとしても、自分さえそれに同じ波長で反応しなければ、影響を受けることはないわけです。影響を受けることがないのであれば、そういった人を必要以上に警戒したり、恐れたりしなくてすみます(わざわざ仲良くする必要もありませんが)。何度も成功体験を積んでいくと、こうしたエネルギーワークは自分にもできるものなのだ、という確信が生まれ、そのことが自信となって更にワークがスムーズにいくようになります。これは、本来誰しもができることです。

 

 これが聖人(浄化が究極に進んだ人)レベルになると、強烈な愛のエネルギーを放つことで、ネガティブまみれの人が一気に浄化される、ということが起こるのでしょう。そうしたことも、奇跡と捉えられているかもしれませんが、エネルギーを理解するようになると、ああなるほどな、と思います。