他人の感情に責任を持つ必要はない

 私が他人のエネルギーに必要以上に振り回されなくなったのは、「他人の発するネガティブエネルギーに対して、自分が責任を負う必要はない」ということを理解したことも大きいです。

 たとえその感情が自分に向けられたものであったとしても、人が発する愛に基づかないエネルギーは全て、発した人自身の問題に起因しています。私たちは、自分の内側に抱える問題には全責任を負いますが、他人の抱える問題には、本来責任を持つ必要がありません。それは、その人が全責任を負うべきものだからです。

 誰かが私を見て、その人の何かが刺激され、私に対して怒りをぶつけてきたとしても、その怒りの発生源は私にはありません。その人の中にあります。私はただ単に、その人の視界に入っただけの媒介に過ぎません。その人は、おそらく私以外の人に対しても、似たような状況が起こる度に、同じような感情を爆発させていることでしょう。その人が抱える、怒りの発生源となっている心のお荷物を捨てない限りは。そして、その人がいつそのお荷物を捨てるのかは、その人が決めることであって、他の誰もが無理強いすることはできないのです。

 

 本来内側が愛で満たされている人であれば、他者に対して攻撃的な言葉や感情をぶつけることはしません。そのようなことをするメリットは何一つないからです。人に何かを教える必要がある時でも、傷つけない表現や声のトーンを選ぶでしょう。人が、誰かを傷つけるような言動を取る背景には、必ずその人の心の内にある悩みや苦しみ、トラウマ、コンプレックス、恐れ、満たされない思いなどが関係しています。それを手放すことに抵抗があればあるほど、人は自分以外のものに原因を求めようとします。

 

 こうしたことを理解するようになって、ネガティブな感情が渦巻いている人と接触したとしても、その責任を自分が背負いこむことはしなくなりました。そしてそれと同時に、自分の中でネガティブな感情が湧き起こった際、それを他人のせいにもしなくなりました。